〜体操教室で大切にしている“できること”を増やす視点〜
体操教室に通ってくださっている皆さんとお話ししていると、「膝が痛くて長く歩けない」「腰に不安があって旅行を控えている」など、日常の中で困っていることを耳にすることがあります。
確かに、痛みがあると不安になりますし、行動に制限がかかってしまうことは自然なことです。
でも、本当に大切なのは 「痛みがゼロになること」ではなく、「その痛みのせいでできなかったことが、少しずつできるようになること」 だと私たちは考えています。
痛みを和らげることも大切。でも目指すのはその先
もちろん、痛みが和らげば生活はラクになりますし、そのために体操や運動は役立ちます。
ただ、痛みを完全になくすことだけに意識が向いてしまうと、かえって「まだ痛いから自分はダメだ」と思い込んでしまうこともあります。
そこで大事にしてほしいのは、「できることを増やす」 という考え方です。
たとえば――
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膝が痛くて遠出を避けていた方が、電車に乗ってお出かけできるようになった
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腰の不安で旅行をあきらめていた方が、再び友人と温泉に行けるようになった
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肩のこわばりで趣味を控えていた方が、少しずつ再開できるようになった
こうした小さな「できた!」の積み重ねこそ、生活の質(QOL)を高める第一歩です。
「痛みがあっても工夫すればできる」
「痛みをなくしたい」という気持ちはとても自然で大切なことです。
ただ、それだけにとらわれずに「痛みがあっても工夫してできる」ことを探していくと、前向きに毎日を過ごせるようになります。
体操教室で行っているのは、まさにそのための練習です。
姿勢や体の使い方を整え、筋力や柔軟性を養うことで、痛みに振り回されない体をつくっていきます。
自分を責めないで、一歩ずつ前へ
ここで忘れてはいけないのは、「痛みがある自分は弱い」と思う必要はまったくない、ということです。
痛みは体からの大切なサインであり、誰にでも起こるものです。
大切なのは、それをきっかけに「今の自分にできることを増やしていこう」と一歩を踏み出すこと。
教室に通いながら少しずつ身体を整えていくことで、「もう無理だ」と思っていたことが「できた!」に変わっていきます。
教室で一緒に目指す未来
私たちが体操教室で目指しているのは、ただ運動をすることではありません。
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日常の動きをラクにする
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不安で避けていたことに再び挑戦できるようにする
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自分らしい生活を長く続けられるようにする
これらを実現していくことが、皆さんの健康寿命を延ばし、人生をより豊かにすることにつながります。
最後に
痛みと向き合うとき、大切なのは「痛みをなくすこと」だけではなく、「その先にある自分のやりたいことを取り戻す」ことです。
できないことをあきらめるのではなく、少しずつ「できること」を増やしていく。
その積み重ねが、自分らしく、笑顔で過ごせる毎日につながります。
体操教室は、その一歩をサポートする場所です。
これからも一緒に、元気で前向きな日々をつくっていきましょう。